2017年5月30日火曜日

ボクの趣味11 ~旨いサンドウィッチ屋を求めて~



仕事の帰りに、以前から何度か前を通って気になっていた店へ行く。

そう、昼間や夕方には、時折行列にもなっていた店。

オシャレな電飾看板には『しげくに屋 55ベーカリー』と書かれている。

夜の高円寺の路地裏に佇む店の電燈が美しく、思わず足が向いた。

とはいえ、看板の文字デザインにはあまりセンスを感じられなかったが。


ベーカリーということで、もちろんパン屋さん。

閉店時間ギリギリで、外から見るショーウィンドウにはまばらなパンが残っているようだった。


そうそう、ときどきある、店に入ると店員さんが「何にしましょう?」と、店に入る=買うの前提で聞いてくるところもあるが、ボクはそんな店はすぐに出てしまう。どんなに美味しそうなサンドウィッチがあっても。

最高なのは、まったくこちらに関与してこないこと。

特にこの店のように小さい店構えでは、話しかけてくる確率は高い。さらに、閉店間近で売り切りたい、というオプションも付いている。

恐る恐る、頼むからボクから話しかけるまで話しかけないでくれ、とシンジくんばりに心で祈りながら、一歩を踏み出した。

そしてショーウィンドウの前に来て、顔を上げた……良かった。

閉店間近でも、お姉さんは優しい笑顔だけで対応してくれた。

ボクは満を持して声をかけた。


「サンドウィッチありますか?」

と聞く。


想像通りの優しい声が返ってきた。


「あ、ハムカツサンドが最後の残り1つ、ございます」


ほどよく売れ残っている各種オーガニックチックパンの隙間から、ハムカツサンドが顔を覗かせていた。


170円+税。


「よかった。じゃ、それを」


「はい。ありがとございます」


お姉さんがレジへ行ったので、ボクも横歩きしてついていく。


「あの、ハムカツサンド以外のサンドウィッチって、何があるんですか?」


「ウチのサンドウィッチはハムカツサンドの1種類だけなんですよ」


「へぇ~」


会計を済ませ、お姉さんに笑顔で見送られて家路についた。


1種類しかサンドウィッチを置いていないパン屋さん。

サンドウィッチは手間がかかる。パンを作るだけでも手間なのに、そこからさらに作業がいるからである。


それでも、作って売りたいと思わせるほどということ。


1つだけなので寂しいが、まぁ仕方がない。


最後の1つなのだから。


その辺のハムカツサンドのハムよりも2倍~3倍ほど肉厚だ。


カツのお共、キャベツの千切りも挟まれている。


帰り道に歩きながらで申し訳ないが、では、一口――――――はい、22点。


この流れだと、確実に美味しくなくてはならないのだが、どうにもこうにも、申し訳ない。


閉店間際の夜9時に残っていた最後の1つのハムカツサンドであることを凄く考慮してください。

パンはパッサパサだし、キャベツは水っぽいのを通り越してカスカスだし、カツのソースはキャベツやパンに吸われ過ぎてどこかへ行ってるし、全ての水分や油分が蒸発しており、最後は何を食べているのかわからなくなった。


実は、これを書くかどうか凄く迷ったのだが、サンドウィッチのブログを書くと決めたときに、感想は正直に書こうとも決めた。


今度、きちんと作りたてのハムカツサンドを買いに行くと決意して。


『しげくに屋 55ベーカリー』高円寺本店
10:00~20:00(売切次第終了) ランチ営業 日曜営業  TEL:03-5356-7617

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