2017年4月16日日曜日

日本サッカー史上、最も凄い選手は


サイトのニュースで、元日本代表選手の中田英寿が日本酒をプロデュースしているという記事を見た。

ボクは学生の頃にサッカーをしていて、一時期はプロを目指していたが、そもそも下手で、20歳のころに作家の道へ進むことを決め、サッカーも、まぁそこそこの経歴を残してはいたが、大したことはない。作家業も、まだまだこれから。
サッカーをしていたときは留学したりとサッカー漬けの毎日を送っていた。

ボクらのころは、カズと中田の世代交代時期で、海外も含め色々なサッカーを見ていた。

カズは先駆者として日本サッカー界に素晴らしい貢献をしているし、昔の試合も観たが、釜本も凄いフォワードだった。

中村俊介も、ボクが大阪にいるときに一度だけ練習試合をしたことがあるが、とても敵わなかった。

少し前には本田や香川がもてはやされ、香川に関しては海外でも素晴らしい活躍。本田に関しては王様と呼ばれたりもしていた。

そして今は原口や久保、大迫などなど、フォワード陣にイイ人材が揃っている。次世代の中盤陣が手薄なのは悲しいが。

しかしながら、日本サッカー史上で最も凄い選手というのは、間違いなく中田英寿だと思う。

様々な日本代表の中心選手が生まれてはいるが、中田ほど凄いと思った選手はいない。

フリーキックやパスの正確性では中村俊輔に負けるかもしれない。
得点感覚に限っては釜本に負けるかもしれない。
スター性ではカズに負けるかもしれない。
カリスマ性では本田に負けるかもしれない。
スピードでは香川に負けるだろう。
原口や久保や大迫にもスピードや得点感覚では負ける。

しかしその全てを総合的にみたとき、中田に勝てる選手はいない。
ボクが思うに、サッカーに限らずあらゆるスポーツでの凄い選手の定義がある。

それは、〈調子の悪いときに、どれだけのいつものパフォーマンスができるか〉。

スポーツ選手というのは、自分でもわからないタイミングで、突如として思い通りにいかなくなるときがある。

イイ例が、香川かもしれない。セレッソで大活躍し、鳴り物入りでドルトムントへ。そしてドルトムントでも期待以上の活躍を見せた。サッカー選手としては誰もが目指すステップアップで、マンチェスター・ユナイテッドに移籍。香川のスピードとテクニックなら、世界でも屈指のスピードサッカーであるプレミアリーグでも通用すると、ボクも思っていた。

しかし、ほぼ何も結果を残せなかった。
年齢もまだまだこれからの時期だし、当時のファーガソン監督自ら口説いたと噂されるほどだったのに、しおれていく感じが否めなかった。

恐らくこのとき、香川は思ったと思う。なぜ同じようにプレーできないんだろう、と。

自分では同じようにしているつもりなのに、チームと歯車がかみ合わない。
細かい理由は多々あるだろうが、とにかく、自分でも何がどうなっているのかわからなかったと思う。
その低迷期を経て、なんとか今ではドルトムントに復帰してそれなりの活躍を見せ始めているが、代表も含め、あの全盛期の香川には及ばないように見える。

しかしボクの記憶では、その他の選手に見るような好調と不調の波を、中田に見たことはない。

ペルージャでは中心選手として、その後のローマやパルマでは控えに回っていても、ボランチにコンバートされても、出場すると、あの中田のプレーを見ることができた。
様々な問題で出場できなかったとしても、出ればいつものパフォーマンスを見せてくれた。

中田の人間性は知らないが、サッカー選手としては一番尊敬している。

それは本人の精神力やイイ意味での楽観的な部分がそうさせていたのかもしれないが、明らかなパフォーマンスダウンを見たことがない。

冒頭に挙げた選手たちは、少なからず好調と不調の波が見え隠れしている。特に最近の本田や長友などは、全く抜け出せないでいる。

どんなに調子が悪くても最低限のパフォーマンスを見せてくれるのが、ボクは凄い選手だと思う。

ドイツワールドカップのブラジル戦の後半の終盤。日本選手は、得点差から負けが確定していたので全く動きがなかった。

そんな中、1人だけボールへ向かって全力疾走していた中田の姿を思い出すと、胸が熱くなる。
後付けになるが、あの走りと見ていたとき、中田は引退するんだろうな、と思った。

久しぶりにサッカーをしに行こう。

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