2017年4月12日水曜日

『CRISIS』第1話のナナメ目線


ドラマが好きな人はみんなやっていると思うが、ボクは毎クール、ほとんどのドラマの第1話は観て、そこから続けて観ていくドラマを精査する。

面白いの判断基準は主観になってしまうので、こういった公共の場では批判も肯定もしない。

昨日、今クールのゴールデン帯レギュラーでほぼ最初と言っていい第1話のCRISISを観た。

小栗さんと西島さんをキャスティングして気合いが入っているのだろう、かなり番宣もやっていた。

ボクも細々と物書きの仕事をしていて、脚本なども多少は書いたりしている。ので、観ている目線が少しナナメになってしまう節があり、一緒にドラマを観ながらナナメ目線のコメントを言うと嫁によく怒られる。
とはいえ、これを嫁は読んでいないわけで、少しだけ感想とナナメ目線コメントを書きたい。

月並みな表現をすると、よくあるアクション刑事ドラマ。元の配属先でひと悶着を起こした問題児だけど優秀な人たちが集まった特設部署『公安機動捜査隊特捜班』が舞台。今回は特にアクションが凄いという触れ込みだった。

その通り、新幹線での格闘シーンや逃げる重要参考人を追いかけるマンションでの追走シーンなど、小栗さんと西島さんがとにかく全編通してアグレッシブに躍動する。西島さんの非常階段の降り方は、本当にできる人がいるのなら生で観てみたいと思った。
特に新幹線のアクションシーンは相当な稽古をしたのだろうなと思わせるスピード感とかっこよさ。

そんなCRISISを、少しだけナナメ目線で観てみた。

小栗さんの登場シーン。なぜかドラマにはこの演出が多いが、番宣も告知も大々的にやっていて、小栗さんが出ることは観ている視聴者の99%は知っているのに、まず歩いている背中、首から下の身体、手元だけ、足元だけ、などなど、顔だけを隠して数分間を消化し、いよいよという場面でようやく全体像を見せる。

……すいません、「いや、知ってるけど」と誰もがわかっている中でのこの演出は、ボク的には少し恥ずかしく見えてしまう。全く番宣も告知もキャストの発表もせずに始まるドラマなら「え、え、え? マジで? 小栗さん!?」と楽しんで観られると思うが、このご時世、そんな斬新なドラマはまずないだろう。

そして小栗さんが犯人の持っている爆弾と一緒に新幹線から川に飛び込むのだが、なぜ一緒に飛び込んだのだろうか。爆弾の入っている鞄だけを川に落とせばいいんじゃないか、と思ってしまった。
その時間は充分にあったと思う。
飛び込む寸前は爆破まであと10数秒ということで、鞄だけを投げても軽くて川に到達するまえに空中で爆発してしまうと思ったのだろうか? ならもっと早く鞄だけを投げればいいし、余裕ブッこいてる暇はない。
それと、そのシーンの前に仲間の野間口さんが「1車輌を吹っ飛ばすぐらいの爆弾」と言っていたが、川の中で爆破する爆弾の規模が小さい。さらには、一緒に飛び込んだ小栗さんと犯人は全くの無傷。ここは正直、「どうやって助かったんだろ?」とワクワクしたが、そのトリックの説明はなかったのが残念だった。

ストーリーは大物政治家のバカ息子の卑劣な悪行が発端で起こる爆弾事件を追う。

田中さんは相変わらずいい味を出し、野間口さんは大抜擢の4番手でドラマファンとしては嬉しい。新木さんも元ハッカー役で、ドラマの中ではかなりの便利屋さん立ち位置だが、今後活躍してくれると思う。

犯人は殺害動機こそあったものの、犯行計画自体は知らない組織に指南されたとのことで、今後もこの組織がモリアーティみたいに犯罪の手引きをしていくのだろう。

そしてこのCRISIS、すでにクランクアップしているとのことで、なかなか最近のドラマでは珍しい。

こんな後付けのネットの意見や外部の批評や批判を反映することができないということで、潔くて凄くイイと思う。ので、書いてみた。

批判や批評を受け入れた時点で、その〝モノ〟は下降線しか辿らない。
誰に何を言われようが、始めた以上は脚本家さんや演出さんの面白いと思うモノでぶっちぎればいい。 

ドラマに限らずエンターテインメントのモノ創りの難しさは嫌というほどわかる。こうしたい、と思っても、人が関われば関わるほど、様々な大人の事情などで出来ないことが多い。だから、出来上がったモノに対しての批判はなるべくしたくない。創っている側からすると、「そんなことわかってるよ! でも……」と思うから。ナナメ目線のぼやきとして言うだけにする。

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