放送作家の友人に、ボクと同じく大阪出身の放送作家がいる。
彼も昨年結婚して、都内に暮らしている。
親しいのでコイツと呼ばせてもらうが、コイツが、なかなかの、個性の強い人が多い放送作家の中でも群を抜いて我が強い。
放送作家と一言で言っても、本当に十人十色の人種がいる。
――台本を書くのが苦手だが、会議で誰よりも喋り倒す奴
――ナレーションは苦手だが、台本を書くのが超絶速い奴
――台本もナレーションも書けないが、総合演出(番組のトップ)がイジりたいがためにいる奴
――有名芸人の親戚や学生時代からの友人など、コネ満載の奴
――本職は脚本などを書いているが、足掛けで放送作家もしている奴
挙げればキリがない。
ただ、一様に言えるのは、大小あれど物腰は静かな性格な人が圧倒的に多い。
これは放送作家になったから静かになるのか、静かだけど面白いコトが好きだから放送作家になったのかは、定かではない。
そんな中、コイツは、かなり強い性格を持った極めて稀な存在。
普通、放送作家はロケや収録の現場には行かない。
ロケや収録までに、総合演出やディレクターと入念な会議を繰り返し、台本にするのが仕事。
あとは現場に任せるのが常。
つまり、ほとんどの放送作家は現場へは行かない、というか、ボクもなりたての頃は何度か現場に行ったが、行っても何もすることがない。強いては、会議では放送作家中心で話していたにも関わらず、スタッフはみんなピリピリして、「なんでいるの?」の視線を向けられ、のけ者扱いまでされたりする。
しかしコイツは、現場へ行き、出演者のタレントに説明しているディレクターの横でガンガン発言する。ディレクターが若ければなおさら。
しかもゴリゴリの大阪弁で話すので、東京弁で言うのとは印象がまるで違う。
性格の強さ+大阪弁の強さ+年下のタレントには基本タメ口で話す=かなりうっとうしがられる。
の計算が成り立つ。
何度かタレント事務所から「あの大阪弁で口の悪いスタッフは何なんですか!?」とクレームが入るほど。
ただ、不思議なのが、そんなクレームがあっても、コイツは番組を外されない。
ただ、不思議なのが、そんなクレームがあっても、コイツは番組を外されない。
テレビ番組において、タレント事務所からクレームが入るということは、番組的にも制作会社的にもテレビ局としても、損しかない。
もし究極に嫌われてしまえば、その事務所のタレントを出してもらえないから。
もし究極に嫌われてしまえば、その事務所のタレントを出してもらえないから。
それでも、番組プロデューサーは平謝りしつつ、コイツを外す、とは言わない。事務所の怒りを収めるための手っ取り早い方法は、辞めさせました、なのに。
それは、コイツはどんな小さな深夜番組でも、ちゃんと愛を持って番組に携わっていることを、一緒に創っているスタッフのみんなが知っているから。
愛があるあまり、番組を具現化するタレントへの要求が強く出てしまうと、みんなが知っているから。
コイツはボクのライバルであり、死ぬまで一生付き合っていきたい友人でもある。
そんなコイツが、今日、30……何回目かの誕生日。LINEやメールを送ったりも、もちろん言葉でなんて言わないが、ボクを知る人が誰も読んでいないこのブログだから言う。
おいバカ、誕生日おめでとう。これからもよろしく。
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