いよいよ今週末に、妊娠6ヶ月の性別がわかるであろう検診がある。
里帰り出産をするので、その病院に行くのも初めて。
今までは現在の自宅近くの、女医さんしかいない産婦人科で検診を受けていたが、里帰り出産の病身は埼玉の川越近辺にあり、恐らく産婦人科医は男性であろうう。
妊娠当初、嫁は、
「絶対女医さんがイイ」
と言っていた。まぁ、ボクも出来ればそれの方がいいとは思う。
しかし里帰り出産を決断したからには、男性医師でも文句は言えない。
嫁は落ち込んでいるだろうな、と思って、
「まぁ、次からは先生が男の人になってまうかもやけど、しゃあないな」
と、会話の流れでボクが言った。すると、
「ん? ああ、まぁ、別に気にしないけど」
と、以前とはリアクションが違う。
「あ、いや、ほら、前に、女医さんがイイってゆうてたから」
付け加えると、
「ああ、前はね。でも、なんだろ、病院行くたびにパンツ脱いで色々見られてるから、それが女性だろうが男性だろうが、気になんなくなった。先生だし」
とあっけらかん。
素晴らしい精神力の成長だな、と思った。
ボクに置き換えると、病院に行くたびに、ボクの息子を……えっと、本当の息子ではなく、下半身の息子を見られるとなると、女性ではなく男性がいい、と思ってしまう。
まぁ、ボクは男なので、局部を見られることは女子より抵抗はないと思うが、それでもやはり男性がいい。
嫁は夏でも露出の多い服を着るわけでもなく、いたって普通のオシャレファッションの人。
時折、胸元が広い服を着て、前景になると胸のほとんどが見えるときはあるが。
さらに、詳しく聞いたことはないが、そこまで男関係もハデではなかっただろうとも思うし。
そんな嫁が、検診とはいえ、見ず知らずの男性の前でいきなりパンツを脱いで大股を広げる行為に対して、あっけらかんとしている。
子供ができると母は強くなる、とよく聞くが、こういったことも徐々に強さを増していく要因だろうと思う。
そんな中、ボクは初めて、妊娠6ヶ月の我が子の「ポコポコ」を感じた。
嫁は1ケ月ほど前から、
「最近、お腹がポコポコ言うんだけど」
と、いわゆる、『胎動』というものを感じていた。
ボクは何度か腹に手を当ててみるも、それを感じることはできなかった。
しかし昨日、ボクが晩御飯の皿洗いをしていると、リビングから
「あ、今わかるかも! 来て来て!」と嫁の声。
最初はなんのことかわからなかったが、リビングに行くと嫁が自分のお腹をさすりながら顎でボクを促していた。
すぐさま、嫁のお腹に手を当てる。
「違う違う。ココココ」と、嫁に指示されながら。
「違う違う。ココココ」と、嫁に指示されながら。
すると、小さく「ポコ……ポコポコ」と、明らかな振動を感じた。
「今の!! わかった!?」
嫁が同時のタイミングで言う。
わかった。ちゃんとわかった。
右手に確かに、小さくではあるが、我が子の存在を確認した。
ボクの下半身の息子から出た本当の我が子が、そこにいた。
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