これまで3回の検診があったが、ボクは一度も同行していないかった。
嫁が言うには、まだ一緒に来ても見せられないから。と。
以前も書いたが、これまでのエコーは、嫁がパンツを脱いで、股のほうからスーパーのレジのピ、みたいなやつを当てて動画を見ていたので、恥ずかしいからという理由。
5か月目に入り、ようやくドラマでよくある腹の上からのエコーに切り替わった。
待合室で待つ。ペアで並んだ1人用ソファーが8セット。16人が座れる。
淡いピンクの内装で構成され、ソファーはよく見ると、腰の辺りにふくらみがある。妊婦さんが座るときに楽になるらしい。
ボクは妊婦ではないが、嫁と並んで座る。
正面の壁には、天井近くにテレビで朝のワイドショーが流れ、先輩ママからの可愛いメモ書きも展示されていた。
ただ、かなりの量のメモ書きがあり、1つ1つが小さい文字で書いてあるので、読もうとするなら前に出てしゃがまなければならない。
他にも数名の夫婦や妊婦さんが座っていたので、1人だけ前に出てジロジロと見るような恥ずかしいことはできない。
診察室に入ると、女医さんがいた。
大学時代に1年休学してインド辺りに自分探しの旅に出たことがありそうな容姿。スラッとしたスタイルで、顔が小さく、長い黒髪をザックリと後ろで結んでいる。
恐らくボクらより少し年下だが、完全にタメ口で話してくる。やっぱりインドで自分を見つけたのだろう。
そんなこんなで、早速お腹エコーへ。
ドラマで見た通り、仰向けになった嫁の腹めがけて、女医さんが惜しげもなくローション的なものをぶっかける。
その上から、スーパーのレジのピ、というか、よく見るといつもボクが使っている電気シェーバーに似ていたエコーで腹をスライドさせた。
―――いた。目の前の画面に、人間の形をした3頭身の小さい奴が、いた。
妊娠アプリではもうほぼ人間の姿だとのことだったが、本当だ。
しかも、足やら手やらをもぞもぞと動かしている。ボク自身から出た、その、まぁ、アレがこんな風に1人の人間を生み出すのかと、感動というより感心した。
看護師さんが街で噂のお喋りおばさんらしく、「ねぇ、感動した? 感動したでしょ?」と聞いてくる。
嫁は、出産は埼玉の実家のほうの病院で行うので、その病院への紹介状を書いてもらう話をしている。
ボクはよくわからないが、胎盤が少し下にあるので、これが上がらなければ転院はできないと女医さんが言い、少しもめたが、でもなんとなく仲直りして立ち去り、次は助産師さんの問診を受ける。
ハル・ベリーばりのベリーショートのおばさんで驚いたが、髪質がうねうねだったので仕方がない。
相当慣れた優しい口調で色々と注意された。
体重がもう少しあったほうが良かったのか、赤ちゃんはお母さんが食べるもので出来ていくので朝ごはんもちゃんと食べてください、という。
確かに、ボクらは以前から朝ごはんを食べる習慣があまりない。
あ、そうだ。ゴールデンウィークには、嫁の実家で三姉妹家族全員集合のBBQパーティーがある。楽しみだ。
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